今回は、『志るべ』(2022年4月号)の要約と感想をまとめてみました。
自己啓発のお役に立てれば幸いです。
天風箴言一
『天風教義の積極心というのは恒に心の平安を確保する事であるが同時に如何なる場合にも寛容である事を忘れてはならない』
箴言註釈一 現代語表記版
天風哲学の定義する積極心というのは、一切の対峙から離れた心的状態、分かり易くいえば、いつも講習会で説いている 「晴れてよし曇りてもよし富士の山」と歌われている、あの心もちのことをいうのである。
心の態度が目の前の事柄の条件次第で変化するようでは、いわゆる積極心とはいい得ないのである。
要するに、真の積極心というのは、事あるときも事無きときも、常にその心が泰然不動の状態であるのを言うので、しかもそうした心の状態というものは、断然対抗するということから超越していないかぎりは、到底現実化することは出来ないのである。
何か物事に対抗して、「負けまいぞ」と積極的になっている状態を相対的積極という。
天風哲学の言う真の積極は、絶対積極。
また、どんな場合にも自分の心の状態を基準にして他人の心の態度をあれこれ推し量っては絶対にいけないということである。
「気にいらぬ風もあろうに柳かな」というのがある。 まことに天風哲学の人生理念とする、積極心の把持に対する貴重な訓えであると痛感する。
ほとんどの人が思っている積極というのは、相対的な積極のことです。
「相手に負けまい」、「起こったことに打ち勝とう」など、ある対象に勝とうとする態度のことです。
真の積極とは、勝ち負け関係なく、兎に角自分の心を強く持つことです。対象は一切気にしません。
はじめは難しいかもしれませんが、努力していけば、いつでもどんなときでも絶対積極の状態になれます。
第五回「大偈の辞」
中村天風真理瞑想集(夏期修練会編)
「大きいなぁと思っている宇宙を、大きいなぁと思えるのは人間の心じゃないか」
いかに人間の心が一切を凌いで広大無辺であるかってことが、すぐに分るはずじゃないか。
宇宙が大きいと感じている人間の心はもっと大きいということです。
人間の心の大きさは無限大です。
人間が与えられた本来の目的。
「男も女もひとたび人間の社会に、人間として生まれたものが忘れてならないことは、宇宙本来の目的たる進化と向上に順応することだよ」
「心の持ち方を尊く、正しく、強く、清くしさえすりゃ、そういう心でものを思い、そういう心でもって思ったことを行なっている人間のしている事は、 全てが皆この進化と向上に順応することになるんだよ。」
人間の生命は造物主の生命と繋がっている。
「その繋がりを完全に保っていこうとするのには、自分の心を造物主の心と同じ心の状態にするのが一番必要なんだよ」
「己の心を尊く、強く、清く、正しくしさえすれば、自然ともっていかれることになるんだ。」
宇宙霊の心が誠と愛とそれから汚れのない美しいものだけでできているから。
これを宗教の方では真・善・美といっているんだよ。
いいかい、この真・善・美にさっとなるには我々の心が常に尊く、清く、正しく、強くなきゃいけないんだよ。
人間の潜在意識の奥には、普段自分が気のつかない潜在勢力という驚くべき力が、これ誰にでもあるんだよ。
「心が消極的で、明けても暮れても神経過敏に神経質にしている人間は、かたちが人間でも心が人間でない人間だよ。 半分人間で半分動物なんだな。」
この世の中の万物万象の一切は、全てみな空と名づける唯一つのものから創られているのだ」と。 「無」というものはナッシングなんだよ。
「空」というのは、意識感覚に来ない微視的物質が存在している世界を空というんだよ。
この世界は、持ちつ持たれつして、全てのものは活きている。
常に自己の心の内容に行なわれる思考を、思ったり考えたりすることを、夢にも消極的なものにしてはいけない。
そうすると自然と、自分の心と宇宙霊の心がビターッと結びついてしまう。
宇宙霊の心と自分の心が一致すれば、不可能が可能になると言っても過言ではありません。
病があろうが、運命が悪かろうが、そんなものは関係ありません。
心に感じている消極的な感情を排除することで、宇宙霊の力を受け取ることができるのです。
心を常に『尊く、清く、正しく、強く』持って生きていきましょう。
宇宙霊と繋がるキーワードです。
『大偈の辞』
あ、そうだ!!
吾が生命は神仏(宇宙霊)の生命と通じて居る。
神仏の生命は無限である。
そして 不健康なるものや不運命なるものは、神仏の生命の中には絶対にない。
そして その尊い生命の流れを受けて居る吾はまた、完全でそして人生の一切に対して絶対に強くあるべきだ。
だから 誠と愛と調和した気持と、安心と勇気とで、ますます神仏との結び目を堅固にしよう。
「怒らず怖れず悲しまず」(後)
学びを深める講話シリーズ
(高畠達美講師)
アンガーマネジメントというのは、怒りの感情や行動の背景にある認知に焦点を当てて、より穏やかなものに変えていくことによって自らの力で感情のコントロールを目指そうとする、「認知行動療法」理論に基づいた方法です。
また、その場にふさわしい方法で自分の気持ちを表現しようという、対人関係のスキルでもあります。
アンガーマネジメントでは、「怒り」は二次感情と捉えています。
怒りの背後に、不安や心配、苦しさ、イライラなどといった怒りを引き起こす様々なネガティブな一次感情が隠れているという考え方です。
一次感情の段階で処理できると、激しく噴火することはなくなります。
相手に一次感情を伝えた方が、相手に受け入れてもらいやすい。
冷静さを取り戻すための三つのテクニック。
衝動のコントロール
怒りのピークはほんの数秒であり、カチン!ときてから「最初の六秒をやり過ごす」ことができれば、なんとかなります。
思考のコントロール
自分の思考の「〜するべき」から外れても許容できる範囲。
いろいろな考え方があるということで、グレーゾーンが許容できるようになってきますと、大分心が楽になってきます。心に余裕を持つということです。
「約束した時間に来てくれると嬉しいんだけど」と言う言い方で、相手に時間を守るように伝える。
行動のコントロール
自分で変えられない範疇のものは、怒ってもムダと考え、現実を受け入れる。
自分で変えられる範疇のことは、何を、いつまで、どの程度やる必要があるのか、具体的な対策を考えていきます。
心身統一法では、
怒った時の対処法は、クンバハカ。
肛門を締めて、肩の力を抜いて、下腹部に気を込めることです。
「怒りは瞬間的に爆発する。 怒りのピークは数秒である。 少し間を置くと、怒りのエネルギーは消退してゆく。怒りの直接対策は、この数秒間に施さなければならない。 間をとることは大切である」
呼吸法は間をとるためにも効果的です。深呼吸することで、感情を鎮めようとします。
もし、怒ってしまったら、寝際の内省検討です。
怒らない方策。
怒りを統御するためには、先ずは何といっても心の積極化の実行です。
アンガーマネジメントで言うところの怒りをもたらす一次感情の中身を、消極から積極に転換する様々な具体的方法を教えてくれています。
観念要素の更改法、積極観念の養成法、そして神経反射の調節法があります。
悪口と取るか、アドバイスと取るかは自分の心の持ち方次第です。
内省検討がしっかり実行出来ていますと、怒るということがかなり少なくなってまいります。
消極感情が湧いてきても受け流すことができるようになる。
ソロキズムという方法もあります。 怒りなどが湧いた時、意志の力で「こんなこと位で怒る自分じゃない」 と自分自身につぶやく自己暗示法です。
誦句。
「我等の誓い」の「今日一日怒らず怖れず悲しまず」をしっかり守ること。
心の安定化。
座禅や瞑想を行っていますと、情動をコントロールしている前頭葉の細胞が増えてくるということが分かっています。
三行。
怒りの統御のための具体的方策として、積極感情である「正直、深切、愉快」の実行です。
私達の心の態度が積極になっている時はプラスの気が、逆に心が消極であるとマイナスの気が私達の生命に流れ込んできます。
怒りは不要残留心、毒です。体にとっても毒だし、心にとっても毒になります。 毒のある世界に平安はありません。幸福もやって来ません。
感情に任せて動くのは動物です。
我々人間は感情をコントロールできる素晴らしい能力を持っているのです。
立派な人間として、生きていきましょう。
怒りっぽい人には、ぜひ天風哲学を学ばれることをおすすめします。
第ニ十一回「生まれない先を考えろ」
「カリアッパ師との対話」
治すのはおまえの心の中にある力が治すんだ。
「何もかも生まれつきだと思ったら、何も気にすることねえだろう。 第一、死ぬことがおっかなかったら、生まれない先を考えろ」
要らないところには心をむけないようにするという習慣をつけることが、また一種の自己陶治の秘訣なんです。
もちろん、身体の具合の悪いところがあったら、医者に診てもらうのは当然ですが、必要以上に恐れないことです。
身体には自然に治そうとする自然治癒力というものがあります。
しかし、消極的な感情になっていたら、その力も弱々しいものになってしまう。
心も身体も道具という考え方が大事です。
身体が弱くても、心まで弱々しいものにしない努力をしていきましょう。
叡智のひびき/中村天風
待望の文庫化!
善の研究/西田幾多郎
「私がおすすめしたい、この一冊」
天風哲学は、真人に至る具体的 「how to do」 つまり実践を主眼としているが、その哲学的裏付けが西田哲学であると思っている。
天風先生の哲学の目的=幸福な人生
西田は、「人は生きるために哲学を要するのである」
哲学に対する考え方が似ている。
他にも、神と自己(我)について、宗教について、「善」について、純粋経験と感応性能についても、共通点があると言います。
『善の研究』/西田幾多郎著
運命を拓く/中村天風著
中村天風先生について学ぶには、はじめにこの一冊をおすすめします。
賛助会便り
岡山の会・岡田幸仁
いざ病気とか事故とか被災などで、自分が人の支えなしに生きられなくなったとき、他人との支え合いのネットワークをいつでも使える用意ができているということが「自立」の本当の意味です。
「良き指導者があればこそ」
(作・本郷晃)
生きる意味は、自分がどんな場合にも心穏やかに暮らして、幸せを感じられるようになり、その自分の人格で、人々に模範を示して、他人や世の中のために役立つことにある。
人間がこの世に生まれてきた目的は、宇宙の進化向上を助成すること。
宇宙の進化向上を助成するとは、他人や世の中のために良いことをするということ。
自己のふるまいが、計らわないまま、周りの人に、良い影響を与えられるような人格になることです。
自己の心を改善し、作り変えていくという目的で生きると、生きることが意義に満たされ、強く生きられるようになります。
稲盛和夫氏の『敬天愛人』
「人生の意義と働くことの意義は、収入を得て物質的な豊かさを得ることではない。 幸せを得ることが人生の目的。それには、精神的な豊かさが必要だ。 精神的な豊かさとは、心が安らかということだ」
稲盛氏は、「苦しい中でも、明るさと希望だけは失わなかった。これが、今日の私を作ったと思います」
また、「最も重要なのは、自分自身に対する信頼、つまり自信を持つことである」
私は、いつも、明日は今日よりも良くなっていると、思っています。
何のために生きているのか?
迷われている方は、天風会を覗いて見ることをおすすめします。
4月からの「心身統一法」講習会は、ハイブリッド開催!
集合型
オンラインライブ
アーカイブ配信
国内外を問わず、いつでもどこでも視聴できるようになりました。
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