歯のメンテナンス大全/堀滋

歯のメンテナンス大全/堀滋 健康

今回ご紹介する本は、

歯のメンテナンス大全/堀滋

です。

健康は「口」からつくられる!

世界標準の歯科医療は、むし歯や歯周病になってからの 「治療」よりも、なる前の「予防」重視の時代に!

そのために欠かせないセルフケアと定期的なメンテナンスの方法、そして食生活や噛み合わせ、呼吸、ストレス対策などの 生活習慣までを徹底解説!

快適な口腔環境を一生保つために。

プロローグ

あなたの歯、このままだとなくなってしまいます! 

超高齢化社会に備えて歯も100年保たせよう。

世界でも遅れている日本の歯科医療。

歯を保たせる最新治療は予防を重視している。

スウェーデンの歯科治療は世界のお手本、その特徴は、

  1. むし歯や歯周病の原因に着目した「予防」を中心とした歯科医療が出産前からシステム化されている。
  2. 再治療につながる金属材料を使用しない (セラミックや樹脂など新しい素材を用いた治療を積極的に導入している)。
  3. 最新の研究結果や最新の材料が速やかに臨床に反映される医療システムになっている。
  4. 予防の要となる歯科衛生士の立場が高い。

人生100年時代に歯の健康を保つためには、次の3点が重要になります。

  1. 治療も大事だが、むし歯の原因を取り除くことがもっとも重要(自宅でのオーラルケア・食生活の改善など) 。
  2. 保険適用外でも歯を長く保たせる最新治療を受ける。
  3. 定期的に歯科で歯科衛生士によるメンテナンスを受ける(むし歯や歯周病予防)

PART1 残念な歯の常識 「それ、間違ってます!」

【基礎知識編】

きちんと歯磨きをしていればむし歯にはならない?

自宅での歯磨きだけでは歯は守れません!

むし歯や歯周病は遺伝とは関係ない?

遺伝的素因もゼロではありません。

キスをすると、むし歯菌がうつってしまう? 

とくに超悪魔のジンジバリス菌はキスでうつる!

離乳食は食べやすいように大人が噛んであげるべき?

大人の虫歯菌が赤ちゃんに感染します。

自然に治ってしまうむし歯もある? 

治る可能性があるのは歯科医が確認できる初期虫歯のみ。

歯が痛くないなら歯科に行く必要はない? 

痛みがなくても口の中の環境は最悪の状態かも。

歯が抜けてしまっても、不便がないなら問題ない?

放置はNG。歯を1本失うだけでたくさんのデメリットがある。

口の中の細菌を死滅させればむし歯にはならない?

無菌にするのは不可能。虫歯菌にも役割がありバランスが大切。

歯の周囲が痛い! むし歯になった?

歯の痛みは複雑、虫歯じゃないことも。

歯ぐきが腫れるのは歯周病のサイン?

歯周病だけでなく歯根の病気の可能性も。

歯磨きの際に血が出ても痛みがなければ問題ない?

出血は歯周病の疑い。栄養不足の可能性も。

歯の治療は妊娠中にしておくといい?

できれば妊活の1年前には歯の治療を終わらせる。

乳歯は生え替わるからむし歯になっても大丈夫?

乳歯の状態が永久歯の発達を決める。乳幼児期のケアが大事。

乳歯はどうせ生え替わるから矯正する必要なし?

早く始めた方が負担が少ないこともあるが、ケースバイケース。

年をとったら歯が少なくなるのは当たり前?

大事にすれば80歳でも自前の歯でいられる。

入れ歯は一度しっかり作ればずっと使える?

加齢に伴い骨や筋肉も変化する。定期的なメンテナンスが必要。

【治療編】

むし歯はなり始めに削ってしまうのがいい?  

ごく初期の虫歯はむやみに削らない

親知らずは無理して抜かなくてもいい?

生え方に問題がなければ残しておくという選択肢もあり。再利用できることも。

どんな状態でも自分の歯を残すほうがいい?

ケースバイケース。残すのが必ずしもベストではないこともある。

古い銀歯は除去したほうがいい?

除去する際に水銀に汚染する可能性も。

痛い歯は神経を取ってしまえばいい?

神経を取る治療は再発率が高く、歯の寿命も短くなる。安易に取らないこと。

歯を抜いたのだから痛みが続くのは当然?

炎症があるかも。痛みの原因を調べた方がいい。

抜歯後は必ず抗生物質を飲むべき?

必要最小限にすべき。過剰に服用すると逆にリスクが!

詰め物は金属よりセラミックにすべき? 

金属は悪影響があることも。セラミックは安全でプラークがつきにくい。

これからはやっぱりインプラントがベスト?

必ずしもベストではない場合も。条件をチェックすること。

インプラントは一度作れば一生モノ? 

歯科医院での定期的なメンテナンスが必要。

治療方法は歯科医におまかせするのが一番?

選択肢が複数ある場合も。自分でも調べてみよう。

【自宅ケア編】

歯はしっかり磨いたほうがいい?

力を入れすぎると歯ぐきがやせてしまう。

食べたらすぐに歯を磨くべき?

食後30分〜1時間を目安に磨こう。

舌も磨いたほうがいい?

ゴシゴシ磨くのはNG。優しく磨こう。

うがい薬はカゼ予防だけでなく、むし歯予防にも効果的? 

かえって口腔内の細菌バランスが崩れてしまう。

重曹でうがいをすれば歯が丈夫になる? 

理論的には○でも、エビデンスはない。

睡眠中の歯ぎしり対策にマウスピースを利用している。

マウスピースは歯へのダメージ予防。歯ぎしり治療用ではない。

入れ歯はむやみに外さないほうがいい?  

つけっぱなしは衛生的によくない。歯周病や口臭の原因になる。

雑菌が心配なので入れ歯は毎日煮沸消毒していいか?

高温て変形することも。60度以上のお湯にはつけないこと。

【生活習慣編】

甘い物を食べても歯を磨けばむし歯にならない?

ブラッシングも大切だが、甘い物好きは食べ方を変えないと不十分。

食事の糖質を減らし、間食をしなければ、口の中に糖がとどまる時間が少なくなるのでつくられる酸の量が減り、むし歯になりにくくなるといえます。

果物やハチミツなら、むし歯にならない? 

どちらも糖質であることに違いはない。虫歯菌が酸をつくる材料になる。

むし歯予防のためには無糖の炭酸水を飲んだほうがいい? 

糖質がゼロでも酸性度が強いものは、歯を溶かす心配がある。

食事はしっかり噛んで食べるといい? 

力を入れすぎると歯やあごの関節に負担がかかるので注意。

大きく口をあけるようにする。

よく歯を食いしばっているが歯が丈夫になるからいい? 

食いしばりは歯に負担がかかる。歯ぎしりも要注意。

歯を守るなら、口呼吸より鼻呼吸?

口呼吸だと歯を守るだ液が減ってしまう。鼻呼吸が基本。

むし歯予防にはキシリトールガムがいい?

ただし、お腹がゆるくなる人もいる。大量に噛まないように。

配合量が高い方が虫歯予防効果が高くなる。

COLUMN マスクがむし歯を悪化させる! 口腔ケアは感染症予防にも効果あり

口呼吸になりがち。

また、温度が高いと病原菌が増殖しやすい。

PART2 健康長寿は口腔から知っておきたい歯と口の最新情報

むし歯から歯を守るのは自分。

歯を一生守るためには、虫歯にならないよう予防する。

歯を失うもっとも多い要因は歯周病

歯周病はサイレント・キラーとも言われている。気がつかないうちに進行し、歯を失う人が少なくない。

口の状態は健康長寿に直結する

口の状態は食べることだけでなく、コミュニケーションにも関わる。

食べることは生きること。

口腔の悪化が老化をもたらす。

世界でも遅れている日本の歯科治療。

8020運動。80歳まで20本の歯を保つ。

歯周病がもたらす慢性炎症。

心臓病や認知症などのリスクを高める。

むし歯をもたらす細菌たち。

ミュータンス菌やラクトバチルス菌など。

歯周病をもたらす超悪者 “ジンジバリス菌“

全身を巡り、動脈硬化を進行させる。

免疫機能を低下させるジンジバリス菌。

口の中に存在する細菌村。

量と質の問題。

バイオフィルムはこうしてできる。

バイオフィルムのバランスとは?

pHが中性の環境を保つのが理想。

こまめな歯磨きでバイオフィルムを除去。

歯科での定期的なメンテナンスが必須。

むし歯や歯周病のリスクが高い現代人の食事。

加熱調理された現代食は、細菌のエサになりやすい。

歯の再石灰化を左右するペリクル。

だ液でむし歯や歯周病のリスクがわかる。

だ液は天然の抗菌薬。分泌量が多いほどいい。

むし歯や歯周病はストレス対策が大事!

睡眠時間を確保すること。

PART3 むし歯&歯周病予防の基本となるホームケア

適切なブラッシングでプラークを除去。

鉛筆のように持つ。

歯ブラシを歯と歯ぐきの境目に斜め45度に当てる。

歯と歯の間は歯間ブラシデンタルフロスでケア。

歯間ブラシはサイズの合ったもの、デンタルフロスは糸状がおすすめ。

むし歯菌のエサになる糖質を控える。

過剰摂取は虫歯や歯周病のリスクが高まる。

むし歯になりにくい食べ方がある。

食べる回数を減らすだけで虫歯予防になる。

特に危険なのが、甘いものをだらだら食べること。

歯を溶かす酸性の食べ物。

酸蝕歯とは、酸で歯が蝕まれ、溶けてしまう症状。酸性度の高い食べ物、飲み物を避ける。

寝る前の甘いものは絶対NG。

就寝中の食いしばりを招く。

歯にダメージを与える噛みしめ。

TCH (tooth contact habit/歯列接触癖) と呼ばれます。

歯だけでなく、顎関節症、肩こり、頭痛などさまざまな不調につながる。

歯とあごに負担をかけない食べ方。

下顎を大きく動かして、リズムを刻んで咀嚼する。

だ液の分泌量を増やして歯を守る。

だ液線マッサージ。

だ液は歯を守る万能薬。

歯に負担をかけない噛み合わせ。

口を閉じたときに歯と歯の間が1〜2mmあいている。

咬筋マッサージでコリをほぐす。

脳や首への血流が増加するので、脳の活性化も期待できます。

舌の位置をチェックしよう。

舌の先が前歯に触れず、舌の中央が上あごについている。

むし歯予防&健康長寿には鼻呼吸。

虫歯のリスクが激減。

舌を動かして鍛える。

ココナッツオイルプリングのすすめ

  1. ココナッツオイル大さじを口に含み、5〜10分、 オイルを転がすように口の中をすすぐ。
  2. だ液が混じって水っぽくなったらティッシュなどに吐き出す。

瞑想でストレス解消して歯を守る。

ストレスは受け止め方次第。

1分間の瞑想でリフレッシュ

  1. 背スジを伸ばして座る。 イスに座ってもいいし、あぐらでもOK。 
  2. みけんから顔、 肩から腕と、徐々に力を抜いて上半身を脱力させる。
  3. 手は太ももの上に軽く乗せる。 目は閉じるか、半眼で前方をぼんやり見る。
  4. ゆっくりと鼻から息を吸って、鼻から息を吐く。 1分間、呼吸を続ける。
  5. 呼吸に意識を向け、お腹の動きや体の状態を感じる。「いま」に集中することで雑念を手放す。

高齢者の口腔ケアは寿命に影響する。

食の低下から一気に認知機能や運動機能の低下が進んでしまいます。

歯磨きやうがいで誤嚥性肺炎のリスクが低下。

入れ歯も自分の歯と同じようにケアしよう。

自分の歯でなくても、噛めることが大事。

うがい薬や洗口液は諸刃の剣。

洗口液だけでは不十分だし、うがい薬は細菌バランスを崩す。

PART4 歯をなくさないために押さえておくべき歯科治療の最前線

むし歯治療の繰り返しで歯がなくなっていく!

歯の根っこに写る影には要注意。

歯の根元に生じる慢性的な炎症が全身に悪影響をもたらす。

神経を取った後の歯が慢性炎症の温床になる。

なるべく神経を取らないこと。

歯の治療が認知症のリスクになる。

1970年代より前に治療した歯はアマルガムが使用されているかも。

むし歯は大きく削らない。

これからの歯科治療は、顕微鏡を見ながら小さく削る。

かぶせ物と詰め物の違い。

虫歯予防にはセラミックがおすすめ。

インプラント治療のメリットとデメリット。

メンテナンスを行っていないと、インプラント周囲炎になることも。

歯を抜くか抜かないかは慎重に判断を

根尖病巣を治療して神経を取った歯は、 免疫システムが機能していないため、内部に細菌が侵入したときに炎症が進みやすい。

大人になっても矯正は間に合う。

将来の健康長寿のためには中高年こそ矯正したほうがいい。

見た目以外の効果もあるホワイトニング。

歯が白くなると見た目年齢が若返る、清潔感がアップして仕事上で有利になるという研究報告もある。

歯を失っても入れ歯があればOK。

失った歯をそのまま放置しないこと。

入れ歯で噛む力を取り戻せる。

歯科医を選ぶための注意点

保険外治療も含め、メリットやデメリットなどをわかりやすく説明してくれて、いくつかの選択肢を挙げてくれる。

CT検査を備えている。

コミュニケーションがうまく取れること。

安心な歯科医を選ぶポイント

入室時の手指消毒、 検温、 ドアノブの消毒やドアや窓を開けての換気、 待合室の人数など、感染症対策がなされている

初診時に十分な問診を行ない、レントゲン写真や口腔内写真などを撮影している

治療の開始から終了まで同じ歯科医師が治療を担当している。

持病や投薬など全身状態を確認して治療を行なっている。

痛む歯だけでなく、口全体をチェックしている。

治療終了後も定期的なメンテナンスを行なっている(基本的には保険適応外)。

口の中の状態や治療法、 費用について時間をかけて説明してくれて、患者さんがそれを検討するための時間を与えてくれる。

ブラッシング指導だけでなく、食事や栄養など生活習慣の指導も行なっている

書評

『歯のメンテナンス大全』というだけあって、歯に関することが何でも載っています。

基礎知識編では、一般的な常識が正しいのか、

治療編では、適切な治療方法はどれか、

自宅ケア編では、正しいケア方法は何なのか、

生活習慣編では、食べ方などについて正しい知識を紹介しています。

歯周病は全身の病気へと繫がりかねないので、早期に治療することが大切です

何のために歯みがきをするのかという根本的なことから解説しています。

治療よりも予防が大切というのは理解できます。

治療は保険適用ですが、予防は自費になってしまうので、敬遠されがちですが、トータルで考えれば、治療回数が減るので、歯科医院による定期的なメンテナンスは受けるべきでしょう。

糖質の過剰摂取が虫歯の原因になっていると言ってます。

甘いものは控えて、糖質も適量の摂取を心がけましょう。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも活用して、しっかりとプラークを除去しましょう。

大人になってからは虫歯よりも、歯周病に気をつけよう。

自覚症状がないので、気がつかないうちに悪化している可能性もあります。

できるだけ神経は抜かないこと、歯は削らないこと、抜かないことです。

ホームケアとプロによるメンテナンスで、生涯自分の歯で食べれるように心がけましょう。

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タイトル:歯のメンテナンス大全

〜人生100年時代の正しいデンタルケア88のリスト~

著書:堀滋

発行所:飛鳥新社

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