小腸を強くすれば病気にならない/江田証

小腸を強くすれば病気にならない /江田証 健康

副題は、今、日本人に忍び寄る「SIBO」(小腸内細菌増殖症)から身を守れ!

小腸が良くないと、狭心症心筋梗塞にかかるリスクが高まる。

更には、糖尿病、慢性腎臓病、膵臓の病気、自己免疫の病気、アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気など、全身の病気にかかわる。

小腸の働きか悪いと、エネルギーをうまく作ることができない。

睡眠の質が落ちたり、風邪胃腸炎にかかりやすくなる。

がんなどの大病にもかかりやすくなる。

本書は、小腸をどうすれば元気にすることができるのかを教えてくれます。

小腸を健康に保つことができれば、健康長寿を全うすることができます。

さまざまなお腹のトラブルは、小腸で生じていた!

SIBOとは、小腸内細菌増殖症のことで、小腸の中で腸内細菌が爆発的に増えてしまう病気です。

SIBOにかかると、頑固な下痢便秘、腹痛

おなら、お腹のゴロゴロした違和感などに悩まされる。

下剤や整腸剤では効果がない。

過敏性腸症候群の症状とかなり似ている。

高齢になればなるほどSIBOになるリスクは高まる。

小腸で火事が起こっている可能性がある。

「胃酸を抑える薬を飲むと、かえって症状が悪化する」人がいる。

胃酸を抑える薬を使うことで、胸焼けが更に悪くなる人がいる。

日本人の「小腸内細菌」が爆発的に増えている!

小腸は最大の免疫臓器です。

小腸が弱れば免疫力が落ちて、風邪インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる

うつなどの精神疾患、にきび、肌荒れ、むずむず足症候群、肥満の原因にもなります

腸内洗浄は医学的根拠がなく、危険。

断食をすることで、症状が軽くなる。

善玉を摂ると、かえって調子が悪くなる人がいる。

健康に良い菌も、場所と数によっては「悪玉」になる。

SIBOになると、さまざまな症状が現れる!

SIBOによって起こる、お腹の症状。

小腸内には大量のガスが発生する。

腹痛下痢、便秘、腹部膨満感、吐き気など。

下痢型のSIBOは、小腸の中で水素が発生しやすい。

便秘型のSIBOはメタンガスが発生しやすい。そして、メタボになりやすい。

短鎖脂肪酸健康法腸内細菌健康法も、SIBOや過敏性腸症候群の患者さんにとっては逆効果になる。

小腸のトラブルは肌荒れ、栄養失調や肥満もしくはやせ、神経系及び精神面の不調などを引き起こす。

SIBOによって、ビタミンなどの栄養の吸収が悪くなる。

アミノ酸の吸収も悪くなり、うつ不眠にもなり得る。

ビタミンB12の欠乏は、しびれ、うつ、疲労感、記憶力低下が生じる。

腸と脳の関係は、相互に影響を及ぼし合っている。

コミュニケーション能力の障害は、腸内細菌が関係しているという説もある。

ストレスや精神的、心理的なトラブルは、SIBOを引き起こす原因にもなる。

亜鉛やマグネシウムなどの吸収も悪くなるので、アトピー性皮膚炎アレルギー性鼻炎なども生じることになる。

リーキーガット症候群(漏れる腸)になることもある。これは、小腸に穴が開いたような状態。

免疫力や抵抗力がかなり落ちてしまう。

腸内細菌が栄養を横取りして、貧血アレルギー症状を引き起こす。

月経前症候群の女性は、チョコレートの代わりに、マグネシウムの多い食物(ゴマ、ワカメ、青のり、刻み昆布、ひじき、ナッツなど)を食べた方が良い。

糖分は悪化する。

なぜ、SIBOになってしまうのか!?

小腸の消化管運動の障害。

糖尿病パーキンソン病などの全身性の病気。

大きなストレスや間食などの生活習慣。

抗生物質の乱用。

胃薬による胃酸過少。

ピロリ菌感染者には、SIBOの患者さんが多い。

免疫力の低下。

炭水化物の消化不良、食べ過ぎ。

重金属が体に蓄積。

急性胃腸炎などのあとに発生する。

食中毒など、感染症をきっかけとしてSIBOが発症することがある。

大腸のバウヒン弁に障害がある。

慢性的な炎症が、小腸に起こり続けると、がんが発生する。

胆のう除去など機能的な問題。

機能性ディスペプシアとは、胃の知覚過敏があったり、胃の運動が悪いことで、胃の不快な症状が生じる病気。

SIBOをコントロールすることができれば、消化器で苦しむ人のほとんどが悩みから解放される可能性がある。

高FODMAP食がクローン病を引き起こす。

低FODMAP食は腹痛や下痢、お腹の張り、鼓腸の症状を改善する。

セリアック病とは、グルテンを摂ると、炎症が起こり、小腸の粘膜がダメージを受ける病気。

SIBOの検査と予防法

気になったら、SIBOの検査を受けること。

水素とメタンガスの呼気検査。

所要時間3時間の「ラクツロース呼気試験」が最も信頼がおける。

SIBOにならない、改善させるためにするべきこと。

適度な胃酸を保つ。

胆汁の分泌を良くする(座りっぱなしをやめる。座ってばかりいると胆汁の流れが悪くなる。)

小腸の消化管運動を良好に保つ。

大腸から小腸への逆流を防ぐ。

小腸内のバクテリアを飢えさせる。

抗生物質を使う。

小腸のバクテリアにエサを与えない食事を摂る。

免疫力を高めるサポートをする。

SIBOマッサージ。

SIBOにならないための食事法

SIBOを予防する食事「低FODMAP食」

米は水素を発生させにくい。

逆に、小麦、まめは水素を発生させやすい。

糖質はエサになりやすい。

特に発酵性の糖質を「FODMAP」という。

SIBOや過敏性腸症候群の患者さんが、一般的に腸に良いと言われている食事をすると、下痢や便秘、腹痛がひどくなる。

FODMAPは吸収の悪い炭水化物たち。

血管の中から小腸の中に大量の水分を引き込んで来る。

小腸に負担をかけないことが、お腹の不調を改善することにつながる。

ガスと水分でお腹がパンパンに張る。

お腹の調子が悪い人は、問題の糖質を避けて、「低FODMAP食」を取り入れること。

発酵性の4つの糖質。

オリゴ糖。ガラクトオリゴ糖(豆類)、フルクタン(小麦、玉ねぎ、ニンニクなど)

二糖類。乳糖(ラクトース)(牛乳、ヨーグルト)

単糖類(フルクトース)。果糖(果実、はちみつなど)

ポリオール。ソルビトールやキシリトールなどの「〜オール」という名称の糖質。(マッシュルームやカリフラワーなど)

これらの糖類は、小腸め非常に吸収されにくい。

リンゴは避けて、バナナを食べる。

桃は避けて、ぶどうを食べる。

スイカは避けて、イチゴを食べる。

パンは悪化させる、米は安心。

ただし、グルテンフリーのパンやパスタなどはよい。

肉や卵、魚、むきえび、サーモン、ツナ缶などは「低FODMAP食」なので食べても良い。

うどんは避けて、そばを食べる。

ラーメン、パスタ、そうめんも避ける。

ビーフンやフォーなどのライスヌードルもおすすめ。

そばは十割そばがよい。

アスパラガスは避けて、キャベツを食べる。

避けた方がいい野菜は、セロリ、とうもろこし、にんにく、ニラ、ネギ、さやえんどう、マッシュルーム、椎茸、玉ねぎ、さつまいも。

トマトケチャップは避けて、マヨネーズは安全。

はちみつやマーマレード、ブルーベリージャム、パスタソースも避けるべき。

「低FODMAP食」は、マヨネーズ、マスタード、ビーナッツバター、トマトソース、カレー粉、ターメリック、シナモン。

カシューナッツは避けて、ピーナッツは安全。

問題ないナッツ類は、栗、マカダミアナッツ、かぼちゃの種、くるみ。

ピスタチオとヘーゼルナッツは避ける。

アーモンドは少量なら大丈夫。

納豆は避けて、豆腐を食べる。

ただし、絹ごし豆腐は避ける。

豆乳は大豆抽出物から作られたものに限る。

あずきやあずき製品も避ける。

緑茶と水はいくら飲んでもかまいません。

チーズは固めのチーズが「低FODMAP食」である傾向がある。

チェダーチーズ、カマンベールチーズ、モッツァレラチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、パルメザンチーズ、バターチーズは「低FODMAP食」。

ヨーグルトには、善玉菌と乳糖があり、乳糖が問題。

SIBOを治療する7つのステップ

第1ステップ「SIBO食」を実行する。

「低FODMAP食」

細菌が好んで食べる食品を避ける。

SCDダイエット。

二糖類、多糖類、ラクトース、スクロース、人口甘味料、加工肉食品、缶詰の果物と野菜、豆類、牛乳と乳製品、イモ類を避ける

低炭水化物、低繊維食が基本。

低FODMAP食は科学的根拠も多く、安心して実践できる食事法と言えます。

第2ステップ SIBOマッサージ

小腸(バウヒン弁)のマッサージ。

大腸のマッサージ。

「の」の字マッサージ。

腹筋トレーニング。

骨盤底筋群のストレッチ。

第3ステップ 抗生物質を使う。

第4ステップ 腸管運動促進剤を使う。

腸へ行く血液量を増やすためには、お腹を温めること。

小腸の動きを良くしたいならば、間食をやめるべき。

睡眠不足の人にSIBOが多い。

消化運動を高める薬剤として、エリスロマイシン、ガスモチン、アコファイド、大建中湯などがあります。

第5ステップ 小腸の中の細菌を飢えさせる。

エレメンタルダイエット。

成分栄養剤のこと。

日本では、「エレンタール」という成分栄養剤かある。

便秘気味の人は、硬水を飲むこと。腸の中で水分を放出させる効果がある。

食事をする前にも歯磨きやうがいをして、食事と一緒に菌を飲み込まないようにすることで、ガスを減らすことができます。

口腔内を清潔に保つことは、小腸の健康を保つために重要。

第6ステップ 天然由来の抗菌作用のある成分をとる。

デザイナーズフードピラミッド

がんを予防しうる食品を挙げたもの。にんにくは天然の抗がん剤。

ブロッコリースプラウトには、「スルフォラファン」という成分があり、抗菌薬としての作用がある。

生活習慣を変え、食生活を変えていくことを第一に考えないといけない

第7ステップ 再発を防ぐ。

SIBOは再発率が高い。

プロバイオティクスを摂る。抗生物質を服用した後に飲む。

プレバイオティクスはしないこと。

ゴボウやネギ、豆類などの水溶性食物繊維を多く含む食べ物は逆効果になります。

ストレスを避けて、睡眠をよくとること。

胃酸を適度に保つ。

逆流性食道炎は胃酸が多すぎても少なすぎても起きる。

グルテンフリーの食事にすることは、胃腸の症状を改善するのに役立つ場合があります。

リーキーガット症候群を改善するためには、

オメガ3を積極的にとり、オメガ6を避ける。

小腸の粘膜を強くする食事は、魚の油。

EPA、DHAのオメガ3系の不飽和脂肪酸

さば、イワシ、サンマ、サケ、えごま油、アマニ油、シソ油など。

炎症を起こす食品を避けて、抗酸化作用のある食品を食べる。

アルコール、カフェイン、グルテン、高FODMAP食、特に、果糖、加工された糖、加工食品は避ける。

傷ついた腸を癒やすには、骨のスープ(ボーンスープ)が良い。

骨髄と硬骨を使ったスープ。軟骨性の骨は除く。

ゼラチンが良い。

SIBOのサプリメント

Lグルタミン酸のサプリメント。

アリシンやベルベリンを含んだサプリメント。

グレープシードのサプリメント。

書評

SIBOは日本ではまだまだ知られていません。

医者も知っている人は少ないと言います。

過敏性腸症候群と症状が似ているので、間違った診断をされることもあるかもしれません。

SIBOは健康保険では保険適応になってない疾患だそうですが、

著者のような専門家に診てもらうのが賢明ですね。

お腹の調子が悪い時は、発酵食品やヨーグルトなどを食べる、「腸活」が流行っています。

しかし、いくら良いと言われているものを食べても良くならない人もいます。

つまり、万人には当てはまらないのです。

むしろ、気をつけないと症状が悪化してしまいます。

気になる症状があれば、検査を受けた方がいいでしょう。

できる対策としては、低FODMAP食を食べること

SIBOマッサージを実践することです。

治療しても、再発しやすいと言われています。

根本原因である、生活習慣食生活を改善することが一番大切です。

気になった方は、下記のタイトルをクリック↓


タイトル:小腸を強くすれば病気にならない

著者:江田証

発行所:株式会社インプレス

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