今回ご紹介する本は、
働く人のための 最強の休息法/猪俣武範
です。
休息について考えよう
優秀な人ほど休息のとり方が上手。
戦略的な休息は新しいイノベーティブなアイデアを生む。
人間が集中していられる時間は、20分ということが証明されています。
健康は戦略的に獲得できる。
本書では、科学的に依拠する論文をできる限り示しながら、医学的に最先端の休息法を包括的に紹介しています。
戦略的睡眠のすすめ
睡眠のメカニズムを理解する。
メラトニンの分泌量が睡眠の質を左右する。
年をとるとレム睡眠の時間が減る。
疲労回復のためには、レム睡眠とノンレム睡眠をしっかりとる。
睡眠の前半は深い睡眠のノンレム睡眠が多く、後半は浅い睡眠のレム睡眠が多い。
90分の倍数である7時30分がもっともよい睡眠時間になる。
体内時計(サーカディアンリズム)を活用する。
不眠は生活習慣病を招く。
体内時計と体温は相関する。
朝はまずカーテンを開けて、夜は強い光を浴びないようにする。
戦略的仮眠のすすめ。
午後3時までに、6〜30分の仮眠をとる。
短い仮眠でも効果はある。
なるべく視覚や聴覚をシャットアウトする。
朝型・夜型は生まれつきの体質。
夜型は、より体温が下がり、メラトニンの分泌タイミングが後ろにずれ、より分泌量が多い。
生まれつきでも、ある程度の修正はできる。
眠りを妨げるものを取り除く。
就寝前の飲酒、喫煙、カフェイン摂取は睡眠のバランスを崩す。
睡眠薬は飲み続けない方が良い。
冷え性対策は、就寝前に体を温めること。
睡眠時無呼吸症候群は治療すること。
良質な睡眠環境を整える。
枕は立っているときと同じように、頭と首がまっすぐの形になるものが良い。
横向きのときは、頸椎から頭のラインが直線になるもの。
寝る前のスマホ、タブレットなどの明るい光を見ない。
寝室の光は明る過ぎないこと。
睡眠時に体温が下がるように環境を整える。
食べてすぐ横になる、寝ることは避ける。
睡眠時間は長すぎても、短すぎても体重増加に繋がる。
食事は就寝3時間前までには終わらせる。
旅行先でも睡眠向上術。
戦略的運動のすすめと疲れにくい姿勢
適度な運動は疲れをとる。
運動は心身の健康に欠かせない。
ストレッチやウォーキングなどの軽い運動で、疲れは軽減する。
軽い運動は脳内物質のセロトニンの量を増やす。
日本人の死因の16%は運動不足からきていると言われている。
アメリカではエリートほど体を鍛えている。
WHOは成人の1週間の適切な運動時間を、150分としています。
通勤でも、「運動している」という意識を持つことに意味がある。
筋トレは死亡率低下につながる。
意識を変えれば日常動作も運動になる。
マラソンは良い点もあるが、のめり込まず、適度につき合うのが良い。
IoTを活用して、健康管理を見える化。
40歳を過ぎたらウォーキングで十分。
塗り絵などの能動的単純作業が、自律神経を整える。
湯船につかるメリットは、温熱作用、浮力作用、静水圧作用。
38〜39℃、15分の入浴で疲労回復。
足だけの温水と冷水の交代浴でも、疲労回復効果はある。
入浴する人ほど幸せになりやすい。
心が軽くなる姿勢のとり方。
ハイパワーポーズのすすめ。
1日2分間、その姿勢をとることでテストステロンを増加させ、コルチゾールを減少させる。
ボディランゲージが、自信や感情と密接に関係している。
デスクワーク時は正しい座り方で。
ウォーキングを意識して歩くと体調がよくなる。
疲れにくいウォーキングは、速すぎない、水分補給、エネルギー補給。
立ち仕事が多い人になりやすい、下肢静脈瘤の予防には、弾性ストッキングを履く。
腰痛対策には、腰に負担をかけない姿勢や動作を。
戦略的アイケアのすすめ
ドライアイにご用心。
ドライアイは、全身に悪影響をもたらす。
ドライアイを予防するには、
- 少し伏し目になるように画面を置く。
- 意識的にまばたきを増やす。
- 1時間に15分休憩する。
- エアコンの風を直接受けない。
メガネとマスクでドライアイ予防になる。
外で遊ぶ子ほど近視になりにくい。
白内障や老眼と目の酷使に因果関係はない。
眼内レンズは白内障のある人が受けられる。
老眼矯正のメガネやコンタクトは2年に1回新調する。
レーシックが向いてない人もいる。
ICL(眼内コンタクトレンズ)は主流になりつつある。
スマホ老眼の予防には、
- 長時間の使用を避けること。
- 1時間に15分休むこと。
- 瞬きを多くすること。
VDT症候群(眼精疲労やドライアイ、頭痛、肩こりなどが起こった状態)も、同様に目を離したりして、休めること。
部屋やディスプレイの明るさは、
- できるだけ明暗の差をなくすこと
- 眩しすぎないこと
ブルーライト対策をしっかりすること。
コンタクトレンズは、ワンデータイプがおすすめ。週1回は使わない。
市販の目薬では、涙液タイプが最も安心。
第一類医薬品は最も効果を期待できる。
目薬は保管場所と保管期限が大切。
防腐剤入は要注意。
疲れ目に効く6つの栄養素。
オメガ3脂肪酸。イワシ、ブリ、サバ、マグロなどの青魚、銀杏、ピーナッツ、くるみ、カシューナッツなどの木の実に多く含まれる。
アントシアニン。ブルーベリーやビルベリー、黒酢、赤ワイン、さつまいもなどに多く含まれる。
レスベラトロール。赤ワイン、ピーナッツの皮、ココアなどに多く含まれる。
アスタキサンチン。サーモンや赤身魚、いくら、エビ、カニなどの魚貝類に多く含まれる。
タウリン。タコ、イカ、かき、アサリ、ホタテ、サザエなどの貝類に多く含まれる。
トリプトファン。卵、肉類、乳製品、バナナ、大豆などに多く含まれる。摂取してから16時間後にセロトニンに変わるので、朝食べると夜に安眠しやすくなる。
戦略的食事のすすめ
コンビニメニューで元気をつくる。
疲労回復に役立つ栄養素。
セロトニン(トリプトファン)。鮭おにぎりやおでんの玉子、牛すじなど。
ビタミンB6。サーモンなど。
DHA、EPA。鯖、サンマなど。
カルシウム。チーズ、しらす干しなど。
マグネシウム。ワカメ、ナッツ類など。
イミダゾールジペプチドが多く含まれる、鶏の胸肉やマグロやカツオなど。
朝食を摂ると体内時計が正確になる。
特にオススメなのが、卵かけご飯。
疲労を招く糖質の過剰摂取は避ける。
糖質制限が万能というわけではない。
オメガ9は、オリーブオイルなどに含まれる。
コーン油、ごま油、サラダ油、マヨネーズなどは、オメガ6。
オメガ3は、青魚やナッツ類に含まれる。
オメガ3とオメガ6は、1:4のバランスが良い。
ヨーグルトは朝より夜に。
甘酒もビタミンB6が豊富で、免疫力強化に加えて、抗酸化作用がある。
焼肉は夜より昼に。消化吸収に時間がかかる。
グルテンフリーのすすめ。
グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質。
グルテンを含む食品。
- パン
- パスタなど小麦からつくられた麺類
- 揚げ物の衣
- ケーキやドーナツなど小麦からつくられたスイーツ
- クッキーなどのスナック
- ビールなどの麦芽から醸造されたアルコール飲料
- 醤油や味噌などの調味料
- 加工チーズ
- インスタントのお茶やコーヒー
脳の老化を撃退する地中海食。
野菜や果物、豆類などを多めに、魚介類や豚肉、乳製品を適量、赤身肉は少なめに、オリーブオイルを主に使い、適量の赤ワインを飲む。
人口甘味料は不明点が多くグレーゾーン。
サプリメントは薬剤に比べて効果は弱いため、有効性を証明するエビデンスがない。
おつまみにはタンパク質とビタミンを。
ビールと枝豆は科学的にも正しかった。
肝臓の老化を防ぐには、高脂肪食を避けること。
通風の多くは、疲れやストレスが原因。
楽観主義が最善の予防策。
戦略的脳科学とメンタルマネジメントのすすめ
マインドフルネスとは、『今、この瞬間』に意識を向けること。
心配や恐れ、怒りなどといった心理的な苦痛に対する、効果的な解毒剤とみなされている。
腹痛、過敏性腸症候群にも効く。
肥満の抑制にも効果があると言われている。
感情をコントロールし、ストレスに対処する。
意識的に積極的な言葉を使うことで心を軽くする。
ストレスを取り除くには、
- 休息をとる
- リラックスする
- 楽しみをもつ
ヨガやストレッチもオススメ。
ハッピーな人は長生きする。
自分は幸福だと思っている人は、ポジティブな感情体験を頻繁に報告し、ネガティブな感情はあまり報告しない。
不安やいかり、恐怖、抑うつといったネガティブな感情が、免疫系の不活化や心臓血管の活動亢進といった、有害な身体的影響をもたらす。
幸福感と健康と長寿は関連している。
幸福感には健康保護機能があった。
幸福は人から人に伝染する。
人付き合い、社会的関係がある人は幸福になりやすい。
SNSはストレスを感じやすく逆効果に。
コーヒーは体に良いと言われているが、リスクもある。適量を飲むのが良さそうである。
タバコは百害あって一利なし。
間食には、アーモンドチョコレートがおすすめ。
チョコレートに含まれるGABA、ナッツ類に含まれるトリプトファンが、ストレスや感情のコントロールに良い。
ホワイトチョコレートは食物繊維が少ない。
カカオが多く含まれるダークチョコレートがおすすめ。
チョコレートは高エネルギー、高脂肪、高糖質なので、食べ過ぎには注意。
最新IT技術が休息を変える
IoMTの時代が来る。
IoMTとは、メディカル分野に特化したIoTのこと。
病気になる前に病気を治す。
ビッグデータで新薬開発。
AI(人工知能)が診断し、ロボットが手術する時代になっていく。
IT技術の活用で疲労を見える化し、癒す時代になりつつある。
疲れに効くアプリなど。
書評
著者はハーバード大学医学部へ留学し、ボストン大学でMBAを取得という経歴を持つ医師です。
参考にしている論文を後ろにまとめて載せているのではなく、参考に使ったページの上に載せています。
個人的な意見ではなく、ちゃんとしたエビデンス(根拠)があることは安心できますね。
働いている人は、どこか疲れているものです。
目を酷使していたり、立ちっぱなしで足腰が痛くなっていたり、全身から疲れを感じている人もいることでしょう。
食べて、寝ているのに疲れが取れないという人も少なくありません。
本書では戦略的というキーワードを使って、積極的に、効率よく疲れを取る方法を紹介しています。
睡眠や運動、姿勢、目、食事、メンタルを中心に疲労回復のコツが載っています。
「パフォーマンスを発揮するためには休むことが大切」と知っていても、休息方法をなかなか学ぶ機会がありません。
本書のような「最強の休息法」を学んで、疲れを根本から取っていきましょう。
気になった方は、下記の書籍をクリック↓
タイトル:働く人のための 最強の休息法
著者:猪俣武範
発行所:株式会社ディスカヴァー・トゥエンティーワン
コメント