健康に良いはウソだらけ/稲島司

健康に良いはウソだらけ/稲島司 健康

今回ご紹介する本は、

「健康に良い」はウソだらけ/稲島司

です。

日ごろの食材に病気の予防効果が大きい。

ナッツは、直腸がんや子宮体がんリスクを減らす。

他にも、コレステロール値改善効果や心臓血管疾患予防効果も期待される。

本書は、科学的に厳密に行われた調査の結果です。

サプリメントのコラーゲンは、人の胃や腸で、ほとんど消化できません

お肌がぷるぷるになることはあり得ない。

グルコサミンを飲んでも膝関節症の痛みがなくなることはない。

コンドロイチン配合の効果も、期待できません。

魚の目を食べても、人の目はよくならない。

プロテインを飲んでも筋肉はつかない。

カルシウムをたくさん摂ったからと言って、骨折が防げる訳ではない。

カルシウムをたくさん摂ると、死亡率が上がる。

「飲んだら、治った」という体験から効果を証明することはできない。因果関係を証明することが大切。

ダイエット

タンパク質や脂質を減らすより、糖質を減らす。

糖質は血糖値を上げる。

メタボ、肥満、糖尿病に繋がる。

少なくとも、ゆるーい糖質制限はしたほうが良さそう。

地中海食と糖質制限は長期的にはほぼ同等、低脂肪食より効果は期待できそうです。

善玉コレステロール値を上げる効果も。

ごはん、麺、パンを減らす。

地中海食は体重減少効果と心血管疾患を防ぐ。

地中海食は、赤肉が少なめ、魚介類をよく食べ、野菜、果物、豆、穀物などを多く摂って、オリーブオイルをたくさん使う。

バターやマーガリンも少なく、ワインを楽しむ。

和食の弱点は、主食のご飯と、塩分が多いこと。

炭水化物の量を制限して減量すると、ヤセ菌が多くなる。

脂質

たくさん摂りたいのは不飽和脂肪酸、控えたいのは飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、常温で個体になることが多い。

悪玉コレステロール値が高いと、将来の冠動脈疾患のリスクが上昇。

総コレステロール値が高くても、心死亡リスクが上がる。

飽和脂肪酸を摂り過ぎると、悪玉コレステロールが増え、中性脂肪も増える。

肉に含まれる飽和脂肪酸が肝臓でコレステロールをつくりやすくしている。

卵を日に3個くらい食べても冠動脈疾患のリスクは変わらない。

牛肉や豚肉などの畜肉を減らす。

とくに魚油はオメガ3不飽和脂肪酸EPADHAを多く含みます。

EPAやDHAを飲んでいるからと言って、心臓の病気やそれによる死亡が防げるわけではない。

サプリで摂るより、魚を食べましょう。

塩分

人が必要とする量は、1日1.5gと見積もられている。

塩の摂り過ぎると、動脈硬化が起こりやすくなる。

塩分をたくさん摂ると、年齢とともに血圧が急上昇。

生涯の塩の量を減らすべきなのです。

上質な塩であっても、あまり意味がない。

塩の摂り過ぎは胃がんのリスクが高まる。

食塩は1日1g減らしましょう。

食物繊維・野菜

食物繊維を多く摂っていると、どの病気でも死亡率が低かった。

食物繊維をたくさん摂っても問題はありません。

むしろ摂れば摂るほど健康に良い。

緑黄色野菜からいちばん有力と思われる物質を取り出して飲んでも効果は認められず、むしろ悪い結果になりました。

サプリで健康になるという発想は考え直したほうが良いかもしれません。

βカロテンも、ビタミンEも、少なくともサプリメントで摂るのはやめておいたほうが良さそうです。

マルチビタミンをはじめとしてサプリメントは、それを飲むことで将来起こるかもしれない病気や死亡などの不利益をなんら補償してくれるものではないのです。

果物の中でも、リンゴを食べている人のほうが、がんが少ない調査結果もある。

ヨーグルト・ドリンク

ヨーグルトの売り上げは伸びている。一方で、アレルギー疾患は増えている。

ヨーグルト、食べるなら砂糖なしで。

健康のためにというより、好きで食べるならよい。

飲み物を買う時は、水、緑茶、ブラックコーヒー。

コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて、肝臓がんのリスクが40%も少ない。

熱い飲み物も食道がんのリスク増大。

コーヒーフレッシュは、トランス脂肪酸。

マテ茶は「待て」。

牛乳をたくさん飲むほどにがんの死亡率が高まった。

女性では骨折が増える。

乳製品の消費量が多い国ほど、乳がんが多いことはわかっていた。

大人になってからは嗜好以外、健康などの目的で飲むのも控えたほうが良さそう。

書評

本書は、科学的根拠エビデンスに基づいて書かれているので、その他の健康本に比べたら、安心して読める内容になっています。

健康に良いと思っていたことが、覆されることも少なくありません。

何の根拠もなく、昔からそう言われて来たので、何となく取り入れている人も多いと思います。

しかし、時代が進めば、実験結果に基づくしっかりしたデータも出て来ています。

「某有名人が言っていたから」という理由で、やるのも危険です。

論文で発表されているような、しっかりとした根拠あるデータかどうかを判断する必要があります。

間違ったことを続けていると、健康になるどころか、体を壊して命の危険に晒される可能性もあります。

後ろのページには、参考にした文献がたくさん載っていました。

今は何でもインターネット上に載っていますので、不安なことは検索して見るのが一番です。

また、本書は、猫のシルエットが度々出て来て、一言メッセージを呟いているのが、可愛いらしかったです。

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タイトル:健康に良いはウソだらけ

著者:稲島司

発行所:新星出版社

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